イン サイト
- joe898nicolas83
- Sep 21, 2022
- 4 min read
ホンダ・インサイト マーケティング用語として、「インサイト」という言葉がよく聞かれます。 消費者インサイト、顧客インサイトとも呼ばれることもあります。 しかし、「インサイト」はよく使われるわりに、意味が理解されにくい言葉でもあります。 今回は、インサイトがどういったことを示すのか、マーケティングでどのように役立つのか、事例を挙げて説明しましょう。 インサイトとは? インサイトは直訳すると「洞察」や「物事を見抜く力」などを意味します。 そして、マーケティングにおけるインサイトの意味としては、「人を動かす隠れた心理」を指しています。 消費者自身も気づいていない無意識の心理ですが、認識すれば行動を起こすでしょう。 無意識の状態ということで、インサイトは「潜在ニーズ」と混同されることがありますが、これは正しいとは言えません。 例えば、「痩せたい」という顕在ニーズがあると仮定します。 なぜ痩せたいのかさらに掘り下げると、「健康になりたい」「おしゃれな服が着たい」「自信を持ちたい」などといった理由、潜在ニーズが見えてきます。 潜在ニーズは欲求があるのにそれに気付いていない状態を指し、対してインサイトはまだ欲求さえない状態を指しています。 商品やサービスを利用してみて初めてわかる感情だったり、当たり前のこととして見過ごしている課題だったり、インサイトはさまざまなところに存在しています。 なぜインサイトが注目されているのか? 現代は、「モノが売れない時代」といわれています。 高品質で手ごろな商品やサービスが当たり前になり、どれを選んでもそう失敗はしないでしょう。 消費者が商品やサービスを選んだ理由は特にはっきりしていないことが多く、商品やサービスを選ばなかった理由も明確ではありません。 多くの人が満たされた今、企業にとって消費者の必要とする商品やサービスは「需要を見つけてつくる」のではなく、「需要からつくり出す」ものになりました。 機能や品質が均質化され、消費者に重要視されるのは「価値」や「体験」です。 消費者の置かれている状況を理解し、そこから考えられる消費者が必要とする何か、つまり「インサイト」を発見しなくては、新たな需要をつくり出すことは難しいのです。 インサイトマーケティングの事例 次に、インサイトをマーケティングに活用し、成功した具体例を挙げてみましょう。 日清食品・カップヌードルリッチ 日清食品のカップヌードルは、発売から45年を超えるロングセラー商品です。 しかし、「若者が食べる」という印象が強いせいか、60歳以上の購入は低迷していました。 イン サイト これまでのシニア向け商品は、減塩や低カロリーといった健康志向を打ち出した商品がほとんど。 しかし、アクティブシニアを調査すると、SNSでは豪華な食事の写真が並びます。 口では健康志向と言いながらも、健康のためにおいしさを諦めたくないということがわかったのです。 こうしてシニア向けにプレミアム感を打ち出した「カップヌードルリッチ」が誕生しました。 健康に配慮しつつも、フカヒレスープやスッポンスープなどのぜいたくな味が特徴です。 通常より高価格であるにもかかわらず、味にこだわりのあるシニア層を中心にヒットし、発売7カ月で1,400万食を突破しました。 この事例は、シニア層は健康志向だから若者向けのカップヌードルを食べないわけではなく、「おいしければカップヌードルだって食べる」というインサイトの発見があります。 フォルクスワーゲン(Volkswagen)・「Think small. 」 1959年のアメリカで、自動車メーカー・フォルクスワーゲンは小型車「ビートル」のキャッチコピーに「Think small. 」を掲げました。 当時のアメリカは「大きいことはいいこと(Think big)」という考えが一般的で、自動車もそれにならって大型車が主流でした。 1960年のアメリカの平均的世帯人数は3. 33人。 イン サイト フォルクスワーゲンは特に大型車がほしいわけではなかったり、「大きくなければ」という思い込みでコストをかけたりしている消費者のインサイトに注目し、「Think small. (小さいことが理想)」というメッセージを発信しました。 優れた広告クリエイティブも手伝い、コンパクトで性能も燃費もいいビートルはアメリカ国内で爆発的に販売台数を伸ばします。 「実質的なビートルを選ぶのは賢い消費者」というイメージまで獲得しました。 大きい自動車が主流でも家族の数と合っていないという事実から、小さな車でも家族で乗るなら問題なくコストも抑えられると転換したインサイトの発見事例です。 大戸屋ホールディングス・2階以上の店舗 大戸屋ホールディングスがチェーン展開する和定食店「大戸屋ごはん処
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